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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻12号

1990年11月発行

文献概要

臨床報告

角膜全層移植と上皮形成術を同時に行った症例

著者: 石田俊郎1 加藤剛1

所属機関: 1富山医科薬科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1879 - P.1882

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 角膜外傷後約30年目にデスメ膜瘤と広範な偽翼状片を伴った角膜混濁例に対し,全層角膜移植と角膜上皮移植の同時手術を行い,視機能の改善を得た。症例は58歳男性である。約30年前,ペーパーナイフの研磨中ナイフの破片が右眼に当たった。その後視力低下,眼痛が出現したため当科を受診した。初診時,右眼視力は0.06であった。右眼前眼部には広範な偽翼状片とデスメ膜瘤を認めたため,全層角膜移植と角膜上皮移植の同時手術を施行した。術後3度の拒絶反応を認めたが,ステロイド剤の点眼,内服治療で軽快し,1年後に視力は0.6に改善した。角膜血管新生を伴う角膜混濁例に対し,角膜上皮移植の併用は有効な治療手段であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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