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臨床報告
文献概要
水晶体位置異常に対して輪部強角膜切開創から水晶体摘出術を行った24例28眼について検討した。外傷性が10例10眼,特発性が11例13眼,マルファン症候群が2例4眼,無虹彩症が1例1眼であり,硝子体内脱臼が7眼,硝子体内亜脱臼が17眼,前房内脱臼が3眼,前房内亜脱臼が1眼であった。術後,73.1%で視力が改善し,術前に緑内障を合併した16眼の75%で眼圧がコントロールされた。網膜剥離が術前に1眼にみられ,術後,5眼に起こった。強角膜切開で水晶体摘出術を行う方針であれば,水晶体位置異常による重篤な合併症がない症例は手術適応としないほうがよいと思われる。
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