icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻13号

1990年12月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病患者に生じた両眼性一過性乳頭浮腫

著者: 高田百合子1 笹木右子1 金井清和1 宇山昌延2

所属機関: 1済生会野江病院眼科 2関西医科大学眼科

ページ範囲:P.1949 - P.1952

文献購入ページに移動
 糖尿病患者の両眼に一過性の視神経乳頭浮腫をみた。42歳男性が両眼の霧視を訴え,10年来の糖尿病はインスリン治療中であった。視力は両眼1.2。視野はマリオット盲点の拡大と鼻下側の周辺部狭窄をみた。眼底は乳頭は境界不鮮明で発赤腫脹し,線条出血がみられ,後極部には小出血や硬性白斑が散在していた。螢光造影では後期に色素の漏出がみられた。血糖値は216mg/dl,HbA1c 8.1%であった。2週間後より乳頭の腫脹は消退しはじめ,1か月半後には萎縮した。脳神経学的検査にて異常はなかった。これらより糖尿病性乳頭症と診断したが,末期に視神経萎縮が高度となったので前部虚血性視神経症との関連を考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?