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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻13号

1990年12月発行

文献概要

連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・24

線維柱帯切除術(1)

著者: 新家真1

所属機関: 1東京大学

ページ範囲:P.1957 - P.1959

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Trabeculectomyを選択する理由
 観血的な成人の緑内障に対する手術法としては,現時点では線維柱帯切除術(trabeculectomy)が,世界の標準術式となっている。しかし,本邦では欧米人に比べていくつか報告があるように,合併症の割には成績がよくないことを理由に,できたらしたくない手術の範疇に入れられている場合があるようである。われわれがtrabeculotomyを選択して行う理由は,①他の術式,trabeculotomyでは眼圧が15mmHg以下に調整されることが少ない。ある程度以上進行した症例では(すなわち手術適応となることが多い),眼圧のコントロール目標は15mmHg以下が条件となるため,現時点ではtrabeculectomyを選択せざるを得ない。②代謝阻害剤5-Fluorouracil(5-FU)の術後局所使用により,術後成績を従来より大幅に改善することができ,少なくともtrabeculotomyに比べて合併症の多い分に見合う,眼圧下降を期待できる,という2点である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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