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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻13号

1990年12月発行

文献概要

臨床報告

球結膜下出血の眼底および基礎疾患に関する検討

著者: 荒井優子1 高橋扶左乃1 阿部百子1 吉本弘志1

所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1979 - P.1982

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 特発性球結膜下出血の基礎疾患を追求するため,140症例(年齢56.0±16.9歳)について,眼底所見,耐糖能,血液凝固能などを検討した。眼底検査をした112例中9例(8.0%)に網膜静脈分枝閉塞症を,13例(11.6%)に糖尿病性網膜症を認めた。すでに判明している16例の糖尿病例に加えて,75gブドウ糖経口負荷試験を施行した47例(年齢58.2±11.4歳)中6例(12.8%)に糖尿病を,25例(53.2%)に境界型糖尿病を検出した。血小板凝集能を測定した14例中10例が亢進していた。血清コレステロールを測定した34例中19例(55.9%)に軽度高脂血症を,また全体の1/4に高血圧者を確認した。以上より,球結膜下出血を発見した場合,眼底観察を含め糖尿病の十分な検査が必要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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