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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻13号

1990年12月発行

文献概要

臨床報告

眼サルコイドーシスでの前眼部炎症の定量的解析—第1報 病期と炎症の病勢

著者: 佐々木洋1 大原國俊1 大久保彰1 宮本孝文1

所属機関: 1自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1983 - P.1986

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 前部ぶどう膜炎を呈したサルコイドーシス67例について,レーザーフレア・セルメーターで前房フレアーを経時的に測定し,各症例の前房フレアー最高値を病期ごとに比較した。病期分類は,眼病変発症後1年未満を急性活動期,活動性病変が発症後1年以上持続していた時期を慢性活動期,眼病変沈静後1年以上経過していたものを陳旧性寛解期とした。急性活動期と慢性活動期,および陳旧性寛解期の前房フレアーはいずれも正常者に比較して有意に高い値を示した。急性活動期と慢性活動期の間に有意差はなかったが,両者とも陳旧性寛解期より有意に高い値を示した。陳旧性寛解期では,活動性眼病変の罹患期間が1年以上あったものが1年未満のものより有意に高い値を示した。サルコイドーシスの前部ぶどう膜炎は発症後1年以上の慢性期でも急性期と同等の病勢を示す。陳旧性寛解期においても前房フレアーは高く,血液房水柵破壊が存在すると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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