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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻13号

1990年12月発行

文献概要

臨床報告

眼内レンズ挿入術後の血液房水柵機能の定量分析

著者: 鄭連山1 宋基栄1 澤充1 増田寛次郎1

所属機関: 1東京大学

ページ範囲:P.1997 - P.2001

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 白内障手術および眼内レンズ挿入術後の炎症についてレーザーフレア・セルメーターで測定し,その結果を術式,レンズの種類および年齢の因子に分けて検討を行った。対象は白内障嚢外摘出術(ECCE)および後房眼内レンズ(PCL)挿入術(ECCE+I0L)38例48眼,ECCEのみの10例10眼であり,対照は手術例の非手術他眼24例24眼である。ECCE+I0L群の術後の房水蛋白濃度はECCE単独群術後のそれより高値を示し,術後1日,7〜15日の各時点で有意差(P<0.01および0.05)があり,対照眼の房水蛋白濃度値に比して術直後から4〜6か月までの間有意(P<0.05)に高値を示した。ECCE単独群の術後房水蛋白濃度は対照眼の房水蛋白濃度値に比して1か月まで有意に(P<0.05)高かった。ECCE+I0L群術後の前房細胞数の変化はECCE単独群より術後1日目では有意に(P<0.01)高かったが,2日目以後には差はなかった。両群は正常眼に比し術直後から術後7〜15日まで有意(P<0.01)に高かった。眼内レンズ挿入術後の血液房水柵の回復には6か月を要すると考えられた。眼内レンズ(Bifocal PMMA-IOL,heparin-coat PMMA—IOL,PMMA-IOL,紫外線吸収PMMA-IOL)間では術後炎症には統計的有意差はなかった。年齢別の眼内レンズ挿入術後の房水蛋白濃度は1日目の時点のみ71〜80歳群が50〜60歳群より有意(P<0.05)に高かったが,他は術後期間と年齢の間に有意差はなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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