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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻2号

1990年02月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

Chediak-Higashi症候群の1例

著者: 上田佳代1 石橋達朗1 西村みえ子2 山名敏子3 吉村圭子4 岸田邦雄5

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2医療法人浩心会 3浜の町病院眼科 4福岡市立こども病院眼科 5浜の町病院小児科

ページ範囲:P.119 - P.123

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 生後4か月より観察した Chediak—Higashi症候群の1例を報告した。銀灰色の毛髪,皮膚および眼球の部分的白子症,反復する発熱と上気道感染,肝脾腫,末梢血の好中球とリンパ球の細胞質内における特徴的な巨大顆粒を認めChediak-Higashi症候群と診断した。汎血球減少症,出血傾向のため4歳9か月で死亡した。
 眼科的には羞明,眼振,内斜視,左上斜視および乱視(初診時遠視性,のちに雑性)があり,虹彩は初診時淡褐色,眼底は白子様眼底であった。加齢とともに虹彩の色素は増加し2歳頃には濃い褐色となり,眼底赤道部の色素もやや増加した。黄斑部は軽度の低形成,ERGはsubnormalで,4歳6か月時矯正視力右0.5,左0.1であった。2歳時に斜視手術を行い,その際採取した結膜を電顕的に観察し,巨大顆粒をもつマクロファージを確認した。
 Chediak-Higashi症候群は,乳幼児の眼白子症の鑑別疾患のひとつとして重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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