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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻2号

1990年02月発行

文献概要

臨床報告

角膜移植術後の角膜上皮の変化—スペキュラーマイクロスコープによる観察

著者: 坪田一男12 真島行彦1 村田博之1 山田昌和2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科 2国立栃木病院眼科

ページ範囲:P.131 - P.134

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 全層角膜移植術を行った20眼につき,術後の角膜上皮の修復過程をスペキュラーマイクロスコープにて観察した。術後1週間目には,全例で角膜上皮細胞の形が乱れ,16眼に紡錘形細胞が出現した。術後1から2か月目には,紡錘形細胞の減少とともに,巨大細胞や核が観察できる細胞が増加し,術後3か月まで高頻度に見られた。以後は,紡錘形細胞,巨大細胞,有核細胞が時間の経過と共に減少し,術後6か月には8眼のみにこれらの細胞が見られ,12眼では上皮の形の乱れだけが観察された。
 以上より,スペキュラーマイクロスコープを用いて全層角膜移植後の上皮細胞の再構築の過程が表層細胞の形の変化を通じて観察でき,また,術後の上皮細胞が正常化するのに6か月以上を要することが明らかになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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