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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻2号

1990年02月発行

文献概要

臨床報告

Endocapsular techniqueによる人工水晶体挿入手術成績と問題点

著者: 竹村美保1 小紫裕介1 三浦昌生1 岩城正佳1 三木正毅1 近藤武久1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院眼科

ページ範囲:P.139 - P.143

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 Endocapsular techniqueによる前嚢切開後,後房レンズを挿入した190症例,248眼について,嚢内固定率および固定位置別の術後合併症の種類・頻度の比較を行い,endocapsular tech—niqueの問題点を検討した。
 1.固定率は嚢内固定(In-In)79.0%,非対称性挿入(In-Out)10.9%,?外固定(Out-Out)2.0%,計画的嚢外固定(planned Out-Out)2.0%,不明6.2%であった。
 2.術後視力,角膜乱視度,乱視軸,術前屈折予測値と術後屈折実測値との誤差,術後炎症所見には,固定位置による有意差は認められなかったが,レンズの偏位,傾きはIn-Out群で有意な増加をみた。
 3.術中に後嚢破損,硝子体脱出を生じた5眼は,前嚢を残し意図的にOut-Outに挿入した。術後の視力,固定状況は良好である。
 4.In-Out群で嚢外固定と認めたループは,77%が先に挿入したループであった。
 以上より本法の問題点として,核娩出時の前嚢亀裂,非対称性前嚢切除が後房レンズの術後位置異常の主因と考えられ,今後理想的な前嚢切開としては,対称性で亀裂の生じ難い形状が必要と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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