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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻3号

1990年03月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(1)1989年10月 名古屋 学会原著

Ganciclovirによるcytomegalovirus網膜炎の治療

著者: 岸茂1 細木敬三1 林英憲1 玉井嗣彦1 新谷憲治2 岩原義人2 三好勇夫2

所属機関: 1高知医科大学眼科 2高知医科大学第三内科

ページ範囲:P.227 - P.231

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 悪性リンパ腫,AIDS 患者に発症したcytomegalovirus (CMV)網膜炎に対し,ganci-clovirを用いて治療を行った。2例とも眼底には後極部を中心とした網膜の滲出病変,出血,血管の白鞘形成がみられ,尿咽頭ぬぐい液,1例では血液からもCMVが検出された。ganciclovirの投与によってCMVは陰性となり,網膜の滲出病変は改善した。AIDS患者では,その後,維持量投与の中断によって病状が再燃し,最終的に視力は光覚(−)となった。副作用として悪性リンパ腫患者に白血球減少症がみられ,投与の一時中断を余儀なくされた。ganciclovirはCMV網膜炎の有効な治療薬と考えられるが,投与を中断すると再発することがしばしばで,維持量投与中の再発防止が課題であると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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