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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻3号

1990年03月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(1)1989年10月 名古屋 学会原著

鈍的眼外傷後の低眼圧黄斑症に伴った脈絡膜からの螢光漏出

著者: 上野眞1 中島徹1 安倍芳子2 町田拓幸2

所属機関: 1浜松医科大学眼科 2富士宮市立病院眼科

ページ範囲:P.235 - P.238

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 自分の打った野球ボールが右眼に当たり,前房出血と約60°の範囲に毛様体解離をきたした39歳男性に,低眼圧が持続した。受傷3か月後に黄斑耳側に限局性漿液性網膜剥離が発症し,螢光眼底造影で中心窩から3.5乳頭径の位置に下降性漏出点があった。アルゴンレーザー光凝固で剥離は消失した。低眼圧とこれに伴う黄斑症状は毛様体解離縫合術により治癒した。鈍的眼外傷後に多発性後極部網膜色素上皮症が発症した自験例との類似点などから,低眼圧の持続による外血液網膜柵の破綻が,本症例の網膜剥離の主因と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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