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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻3号

1990年03月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(1)1989年10月 名古屋 学会原著

血液疾患における眼底所見について

著者: 大越貴志子1 草野良明1 山口達夫1 石田誠夫1 神吉和男1 細谷亮太2 西村昂三2 新倉春男3 田中稔4

所属機関: 1聖路加国際病院眼科 2聖路加国際病院小児科 3聖路加国際病院内科 4順天堂浦安病院眼科

ページ範囲:P.239 - P.243

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 1977年1月から1989年6月までに内科及び小児科の依頼で眼科受診し,眼底検査を受けた血液疾患患者145例中58例(40%)に原疾患に起因すると思われる眼底異常を認めた。疾患により眼底像に特徴を認めた。網膜出血や綿花様白斑は殆どすべての疾患に見られた。網膜血管の蛇行は慢性白血病に多く認めた。毛細血管瘤は白血病や前白血病にのみ見られた。慢性白血病においては網膜出血を来たした症例は正常眼底の者に比較して白血球数が多い傾向を認めた(0.01<P<0.025)が,ヘモグロビン値,血小板数は差がなかった。骨髄腫においては網膜出血を認めた症例の尿素窒素値は正常眼底の症例に比較して高い傾向を認めた(0.005<P<0.01)がヘモグロビン値,血小板数,血漿蛋白は差がなかった。白血病においては網膜表層出血を伴うものは網膜深層出血主体の症例よりも白血球数(0.01<P<0.025)も血小板数(0.005<P<0.01)も少ない傾向を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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