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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻3号

1990年03月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(1)1989年10月 名古屋 学会原著

網膜中心静脈閉塞症における血小板機能異常

著者: 松橋英昭1 中野美奈1 吉本弘志1

所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.253 - P.256

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 網膜中心静脈閉塞症患者における血小板凝集能を測定し,健常者との比較および本症の病態との関連性について検討し以下の結果を得た。
 (1)健常者42名における血小板凝集曲線の分析結果から,血小板凝集能亢進の基準はADP1μMおよびコラーゲン0.5μg/mlによって明らかな二次凝集が惹起される場合に設定可能であった。
 (2)網膜静脈閉塞症患者76例においては54%と高頻度に血小板凝集能亢進が認められた。また最大凝集率はADP1μM 5μMおよびコラーゲン0.5μg/mlにおいて,統計学的にも患者群が有意に高値を示した。
 (3)急性期と慢性期,基幹閉塞症と分枝閉塞症,基礎疾患の有無によって血小板凝集能亢進の認められる比率を比較検討したが,統計学的有意差は認められなかった。
 以上により,血小板機能の亢進はそれ自体独立した本症の危険因子と考えられる。抗血小板療法によりこれに対処することは,病変の拡大を抑え唐発を子防する土で有用な治療手段になり得ると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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