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特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(1)1989年10月 名古屋 学会原著
老人性円板状黄斑変性症の脈絡膜新生血管板の臨床的特徴について
著者: 萩田勝彦1 高橋信仁1 江川知子1 湯沢美都子1 松井瑞夫1
所属機関: 1日本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.279 - P.282
文献購入ページに移動黄斑所見は,初期病巣が37%,典型病巣が49%,瘢痕期が14%であった。中心窩からの距離は,1乳頭径以内のものが83%であった。大きさは,0.5乳頭径未満のものが43%であった。複数の新生血管板を有するものが17%あった。光凝固を施行した眼では,初期病巣及び新生血管板が中心窩から離れているものが多かった。しかし,新生血管板の大きさは光凝固施行の有無に影響していなかった。典型病巣では新生血管板がすでに黄斑部無血管領域におよんでいるものが40%,初期病巣でも29%あった。以上のことから,現状では,早期発見・治療が行えているとはいえず,早期発見の努力とともに,新生血管板が黄斑部無血管領域に及んでいる症例に対する効果的な治療法の検討が重要であると考えられた。
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