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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻3号

1990年03月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(1)1989年10月 名古屋 学術展示

角膜内皮炎が疑われた1症例

著者: 山口ひとみ1 森下清文1 渡辺千舟1

所属機関: 1大阪医科大学眼科

ページ範囲:P.312 - P.313

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 緒言 これまで前部ぶどう膜炎の併発症としてみられてきた角膜の混濁,浮腫をみるものの中に,特徴のある角膜後面沈着物を伴う原因不明の進行性角膜内皮障害を起こすものがあり,1982年Khodadoustら1)が角膜内皮炎と報告してから病名として使われるようになった。今回,今まで報告されていた典型例とは少し異なるが,角膜内皮炎と思われる症例を経験したので報告する。
 症例 症例は14歳の女子。初診日は1988年9月26日。現病歴は,9月19日よりmumps発症し,21日より右眼充血に気づき,24日より右眼視力低下を自覚したため26日に近医受診し,当科紹介され入院となる。既往歴,家族歴に特記すべきことなし。初診時所見は,視力右0.01(n.c.),左1.2(n,c.)。眼圧右24mmHg,左17 mmHg。前眼部,右は角膜が混濁し浮腫状で,Descemet foldを認め,白い顆粒状の角膜後面沈着物があり前房はcell,flareを軽度認め(図2),左眼は異常所見なし。隅角には異常所見なし。眼底は,右透見困難,左は異常所見なし。血清学的検査は,ペア血清(1病日;13病日)で,ムンプス(8倍;16倍),インフルエンザA (4倍>;4倍>),インフルエンザB (16倍;16倍),麻疹(4倍>;4倍),風疹(4倍;4倍)。CRP, ASOは,正常。血沈1時間値12mm,2時間値42mm。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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