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臨床報告
黄斑円孔前段階病変が自然治癒した2例
著者: 保手浜靖之1 永田淳士1 追中松芳2
所属機関: 1広島大学医学部眼科 2広島赤十字・原爆病院眼科
ページ範囲:P.359 - P.362
文献購入ページに移動症例1は63歳女性で,右眼の視力低下と変視症を訴えて受診した。右眼中心窩領域に裂隙を伴う円形の限局性網膜剥離があり,螢光眼底撮影で脈絡膜螢光の透過亢進がみられた。視力と自覚症状は徐々に改善し,発症から約7か月後には中心窩網膜は復位し,過螢光も消失した。経過中に裂隙の拡大はなかった。
症例2は44歳女性で,右眼の中心暗点を訴えて受診した。右眼中心窩領域に円形の限局性網膜剥離があり,螢光眼底撮影で脈絡膜螢光の透過亢進が認められた。発症から2週後には視力と自覚症状が改善し,中心窩網膜は復位した。
2例とも硝子体・中心窩分離(vitreofoveal sep-aration)が生じたことによる裂孔形成過程の停止と考えられた。
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