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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻3号

1990年03月発行

文献概要

臨床報告

アシクロビルと硝子体手術が奏効した桐沢型ぶどう膜炎の1例

著者: 鈴木康之1 望月學2 小原真樹夫3 倉田毅4

所属機関: 1東京大学医学部眼科 2東大分院 3武蔵野赤十字病院眼科 4国立予防衛生研究所

ページ範囲:P.363 - P.366

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 片眼の著明な前部および後部ぶどう膜炎をきたし,桐沢型ぶどう膜炎が強く疑われ,前房水中に免疫螢光抗体法により水痘・帯状疱疹ウイルス抗原陽性細胞が検出された1症例に対し,アシクロビルの点滴静注を施行し,さらに,灌流液中にアシクロビルを混入しての硝子体切除術および網膜剥離予防のための強膜輪状締結術を行った。その結果,初診時視力20cm指数弁が治療開始4か月後には0.9,治療開始後1年11か月の時点で1.0まで回復し,その間,白内障を発症したものの,ぶどう膜炎の再発,網膜剥離の発症等はみていない。桐沢型ぶどう膜炎の病因として水痘・帯状疱疹ウイルスの関与が推測され,またその治療にはアシクロビル点滴静注,硝子体切除術などの治療が重要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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