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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻3号

1990年03月発行

文献概要

薬の臨床

縮瞳剤が緑内障眼の瞳孔径と調節力に及ぼす影響—アドソルボカルピンとピロカルピンの比較

著者: 広瀬浩士1 安間哲史1 神谷あゆみ1 斉藤昭1 岡本洋子1 宮尾克2 石原信哉2

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科 2名古屋大学医学部公衆衛生学

ページ範囲:P.385 - P.391

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 9歳から51歳の開放隅角緑内障患者5名に対し,右眼には8時,20時の時刻に1%アドソルボカルピンを,左眼には1時30分,8時,14時,20時の時刻に1%ピロカルピンを3日間点眼し,点眼開始前後の眼圧,調節力,瞳孔面積を測定した。瞳孔面積の測定はオープンループ方式の赤外線瞳孔計を使用し,マイクロコンピューターで解析した。測定は9時,12時,15時,18時の時刻に行い,点眼を行っていないコントロール日と比較し,有意差の検定を行った。両眼とも眼圧の下降,調節力の増加,瞳孔面積の減少があったが,左右眼の間での有意差はなかった。光刺激により縮瞳を開始するまでの潜時には有意差があり,アドソルボカルピン点眼群で短かかった。眼圧,調節力,縮瞳率については,1日2回点眼のアドソルボカルピンと,1日4回点眼のピロカルピンではほとんど差がなく,点眼回数の少ないアドソルボカルピンの方がより有効であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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