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連載 眼の組織・病理アトラス・42
落屑症候群
著者: 猪俣孟 千々岩妙子1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.410 - P.411
文献購入ページに移動ふけ様落屑は,水晶体の前面,虹彩の実質,毛様体の無色素上皮層や虹彩の色素上皮層の後房側基底板,線維柱帯,チン小帯,結膜などの眼組織にその存在が確認されている。とくに,水晶体前面における沈着の様子が特徴的で,中心円盤,中間透明帯,周辺混濁帯が識別されている。水晶体前面のふけ様落屑はあたかも水晶体前嚢が剥離しているようにみえるので(図1),本症は偽落屑症候群pseudoexfoliation syndrome,水晶体前面の落屑は水晶体嚢偽落屑pseudoexfoliation of thelens capsuleと呼ばれ,ガラス吹き工などに生じる真の水晶体嚢落屑と区別されてきた。
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