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特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(2)1989年10月 名古屋 学会原著
黄斑円孔による網膜剥離の視力予後—光凝固眼と非凝固眼の比較
著者: 檀上眞次1 岩橋洋志1 佐藤勝1 恵美和幸1
所属機関: 1大阪大学医学部眼科
ページ範囲:P.431 - P.433
文献購入ページに移動1984年から1988年まで当科で治療した56例59眼のうち,光凝固を必要としたのは8眼(14%)であり,48眼(81%)は光凝固なしで復位した。
光凝固方法は黄斑円孔周囲耳下側半周あるいは下方後極部を中心に豆まき凝固のいずれかであった。
視力予後は光凝固群,非光凝固群で差はみられなかった。視力改善は光凝固群54%,非光凝固群63%にみられた。光凝固眼においても2〜3年の経過を経ても視力の悪化は認められなかった。これは光凝固方法が黄斑円孔上方,あるいは上方後極部には凝固しなかったことによると考えられた。
しかし,視力予後に差がないといっても,光凝固なしで80%以上の復位がえられることより,安易な光凝固はすべきではない。どうしても,光凝固が必要な場合は凝固は最小限で効果的な上記の方法が勧められる。
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