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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻4号

1990年04月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(2)1989年10月 名古屋 学会原著

黄斑円孔網膜剥離の発症因子に関する検討

著者: 森田博之1 出田秀尚1 長崎比呂志1 伊藤久太朗1 米本淳一1 上村昭典2

所属機関: 1出田眼科病院 2鹿児島大学医学部眼科

ページ範囲:P.435 - P.438

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 病的近視眼と特発性老人性の黄斑円孔眼,合計196名・211眼を対象とし,屈折度・後極部の近視性網脈絡膜萎縮の程度・後部ぶどう腫の有無・後部硝子体所見の4点より網膜剥離の発症頻度を検討した。近視の屈折度・網脈絡膜萎縮が強くなるにしたがって,および後部ぶどう腫が存在すると,網膜剥離の発症頻度は有意に高くなった。後部硝子体剥離との間には有意な関連性はなかった。豹紋状眼底のみ呈する段階で,網膜剥離の発症母地が出来上がり,近視性網脈絡膜萎縮が出現するとさらに発症頻度が高くなる。また,後部ぶどう腫が発育・増大するに伴って,近視性網脈絡膜萎縮は高頻度に出現し,さらに後極部の強膜の拡張に伴い,脈絡膜,網膜の三者の間に形態的な歪みが生じ,網膜剥離の発症を助長すると考えた。なお,後部硝子体剥離は網膜剥離の発症に関しては大きな役割を果たしていないと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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