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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻4号

1990年04月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(2)1989年10月 名古屋 学会原著

新しいアルドース還元酵素阻害剤(ARI,FR74366)の核磁気共鳴法を用いた効果判定

著者: 森和彦1 松本康宏1 池部均1 照林宏文1 赤木好男1 吉崎和男2 西川弘恭3

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室 2京都府立医科大学第一生理学教室 3明治鍼灸大学生理学教室

ページ範囲:P.443 - P.446

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 アルドース還元酵素阻害剤(ARI)はヒト糖尿病性白内障のモデルであるラットガラクトース白内障を抑制治癒させる。一方Proton核磁気共鳴法(1H-NMR)は磁気共鳴画像(MRI)の基礎となるものであり,白内障定量化の一手法としてARIの効果判定にも使用しうることを前回報告した。本研究の目的は新しいARI (Fujis-awa, FR74366)の効果を1H-NMRにてとらえることにより,将来のMRIによる白内障定量化およびARI効果判定の基礎的データを得ることにある。SD系rat (bw 50g)7群に2種の濃度のARIを含むガラクトース含有食を与え経時的に水晶体を摘出し,縦緩和時間T1,横緩和時間T2を測定した。その結果,緩和時間の経時的変化は組織における水晶体線維の液化膨化と対応しており,FR74366の濃度依存性の白内障抑制・治療効果を1H-NMR緩和時間により確認し定量的にあらわすことができた。以上より将来MRIを用いてヒト白内障の客観的定量化ならびに抗白内障薬の効果判定に用いうる可能性を強く示唆した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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