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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻4号

1990年04月発行

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(2)1989年10月 名古屋

学会原著

白内障術後のインドメサシン点眼が角膜上皮に及ぼす影響

著者: 山田昌和12 坪田一男12 永本敏之2

所属機関: 1国立栃木病院眼科 2慶應義塾大学眼科

ページ範囲:P.455 - P.459

文献概要

 白内障手術患者を対象とし,0.5%インドメサシン油性点眼液を術前術後に用いた10例(インドメサシン群)とインドメサシン点眼を用いない10例(コントロール群),インドメサシン点眼液の基剤を点眼した5例(基剤群)を対象とし,術前,術後1週,1か月,3か月に角膜中央部の上皮スペキュラーマイクロスコープ撮影を行い,平均露出細胞面積と角膜上皮スコアを用いた形態解析を行った。平均露出細胞面積はコントロール群,基剤群では術前術後に有意の変化を認めなかったが,インドメサシン群では術前は630.3±45.8μm2,術後1週は772.0±113.1μm2,1か月では818.4±106.3μm2,3か月では703.7±78.4μm2と術後1週,1か月で有意に増大し,コントロール群との間にも有意差を認めた。インドメサシン群のスコアはコントロール群に比べ術後1週,1か月で有意に増加していたが,基剤群とコントロール群との間には有意差を認めなかった。インドメサシン点眼は白内障術後の角膜上皮の形態に変化を与え,その作用は基剤ではなくインドメサシンによると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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