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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻4号

1990年04月発行

文献概要

臨床報告

ぶどう膜炎における網膜硝子体血管新生

著者: 諏訪雄三1 中川やよい1 多田玲1 原吉幸1 大路正人1 萩原正博1 春田恭照1 湯浅武之助1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科

ページ範囲:P.531 - P.534

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 ベーチェット病651例中7例(1.1%)9眼,他のぶどう膜炎853例中3例(0.3%)3眼に網膜または硝子体中の血管新生がみられた。血管新生の部位は視神経乳頭5眼,後極部3眼,赤道部4眼で,それぞれ5眼,2眼,1眼で硝子体出血が生じた。乳頭と後極部に発生した新生血管は広範囲にわたる網膜の炎症性循環障害によるものと推測された。赤道部に生じたものは3眼が無血管帯,1眼は網膜前線維増殖によるものであった,ぶどう膜炎の発症から新生血管の出現までの期間は2か月から11年,平均2.8年,ベーチェット病だけ子は3.1年であった。乳頭および後極部に生じた新生血管は半数が治療により消失し,4眼ではまだ存続していた。血管新生眼の最終視力は,新生血管発生時と比較して,全体としてはあまり低下していなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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