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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻4号

1990年04月発行

文献概要

臨床報告

眼内レンズ挿入術後にみられた“in the bag”hyphaemaの1例

著者: 西佳代1 西素子1 西興史1

所属機関: 1西眼科病院

ページ範囲:P.536 - P.538

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 嚢間白内障手術後,前嚢後嚢よりなる袋,いわゆる“in the bag (嚢内)”に貯留した前房出血の症例を経験した。
 症例は,64歳の女性で内科的疾患はなく,1986年12月2日老人性白内障で嚢間白内障手術の手法(水晶体上皮細胞を除去,前嚢は除去せず保存。)で後房レンズを挿入した。術後3日目に眼内レンズと前嚢上にまで拡がる前房出血を認め,術後8日目には眼内レンズと後嚢間のみに限局して貯留し鏡面を形成し,その消失までに約3.5か月を要した。“in the bag”hyphaemaは血液が流入貯留しやすい嚢間白内障手術の前嚢切開の型に負う所が大きい。またその自然消失に長期間を要する。“in the bag”の中は,赤血球処理機能の作用しにくい場所であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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