文献詳細
臨床報告
文献概要
41歳女性の色素性乾皮症に伴った結膜扁平上皮癌を経験した。症例は6歳頃から顔面に色素斑が出現し,22歳で皮膚生検により色素性乾皮症と診断された。その後7回の顔面腫瘍切除術を受け,いずれも基底細胞癌であった。1987年5月,左眼の充血を主訴に当院眼科にて受診したところ結膜腫瘍が認められ,切除標本は扁平上皮癌と診断された。そののち,更に顔面皮膚の5か所の腫瘍切除術を受けたが,組織学的にはそれぞれ基底細胞型扁平上皮癌,基底細胞癌,毛嚢上皮腫及び腺扁平上皮癌と診断は多岐にわたっていた。このような多段階にわたる悪性像を呈する腫瘍を合併することは稀と考えるので報告する。
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