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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻5号

1990年05月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・43

ベーチェット病

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.584 - P.585

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 ベーチェット病Behçet's diseaseは,口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍,皮膚症状,眼症状,外陰部潰瘍を4主症状として,全身の諸臓器をおかす原因不明の疾患である。ベーチェット病の眼病変の特徴は眼内各組織の閉塞性血管炎を主体とした眼組織全体の炎症である。病変は網膜,視神経,ぶどう膜,強膜などにはじまる。
 臨床的には,結膜の充血,上強膜炎,前房混濁,硝子体混濁,網膜の浮腫,出血,滲出斑など(図1)がみられる。螢光眼底検査では,広範囲にわたって網膜血管とくに毛細血管からの螢光色素の漏出が著明である(図2)。症状は一過性であるが,炎症は再燃しやすい。再燃を重ねるにしたがって,種々の器質的障害が残るようになり,ついには視機能が失明または失明に近い状態にまで低下する。失明は主としてびまん性網脈絡膜萎縮や視神経萎縮,または牽引性網膜剥離を伴った眼球癆による。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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