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特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(3)1989年10月 名古屋 学会原著
黄斑部網膜前膜と後部硝子体膜の円形欠損
著者: 岸章治1 横塚健一1 戸部圭子1 田村卓彦1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科
ページ範囲:P.595 - P.599
文献購入ページに移動硝子体皮質の円形欠損は,常に境界が鮮明で,その外縁では膠原線維が輪状に走行しており,これが偶発的に生じた裂孔ではないことを示唆していた。この窓の前方は,硝子体液化腔に連続するか,硝子体ゲルが窓を通って後方に脱出していた。これら所見から,欠損部位は,bursa premacularisの基底面に相当すると判断された。
Bursa premacularisは,眼底後極部のすぐ前方にある硝子体液化腔である。bursaの墓底部では,硝子体皮質はbursaにより,ゲルから分離して,膜として存在する。
我々は,bursaの基底面である硝子体皮質が,特発性黄斑前膜の本質であると結論する。黄斑前膜における,従来,説明不能であったさまざまな現象が,bursaと関連して解釈すれば,一元的に説明可能となることを論じた。
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