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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻5号

1990年05月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(3)1989年10月 名古屋 学会原著

オクトパス自動視野計を用いた眼内レンズ移植眼のグレアー障害の測定

著者: 並木真理1 小幡典子1 田上勇作1

所属機関: 1社会保険神戸中央病院眼科

ページ範囲:P.609 - P.612

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 正常眼,白内障眼,合併症のない眼内レンズ移植眼,positioning holeの露出,後嚢混濁,YAGlaserによるpit形成などの合併症のある眼内レンズ移植眼,計41眼を対象とし,directional glareが静的視野に与える影響を,オクトパス500Eプログラム36で測定した。
 固視点下方8.7°の位置に内蔵されている固視監視用ビデオカメラの前方に,グレアー光源を設置した。グレアー光の輝度は13asbとし,背景輝度への影響はなかった。
 正常眼と合併症のない眼内レンズ移植眼ではグレアー光源対応部に3〜11dBの軽度の感度低下がみられた。白内障眼では,正常眼に比して感度低下が高度で,その範囲も拡大していた。合併症のある症例では,positioning hole露出,後嚢混濁に対応する部位などに最高25dBの高度の感度低下が観察された。positioning holeや後嚢混濁部でのグレアー光の散乱,さらに眼内での散乱により,通常考えられない部位にも感度低下が生じた可能性が考えられる。また合併症が無いと思われた4 hole lens移植眼においても感度低下がみられた。暗所での散瞳や斜方向からのグレアー光の入射により,虹彩後方に隠れた positioningholeに起因するグレアー障害が発生したと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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