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特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(3)1989年10月 名古屋 学会原著
滋賀医大眼科におけるトラベクロトミーの手術成績
著者: 角屋博孝1 山田重喜1
所属機関: 1滋賀医科大学眼科
ページ範囲:P.637 - P.640
文献購入ページに移動対象は,滋賀医大眼科において1979年1月から1988年12月に施行されたトラベクロトミーのうち,術前眼圧が点眼で21mmHg以上で術後3か月以上(ただし不成功眼は3か月未満でも)経過観察できた原発開放隅角緑内障68眼,偽落屑症候群9眼の計77眼で,他の緑内障手術を併用したものは除外した。術後2か月経過しても眼圧が点眼で20mmHg以下にならないもの,経過中3か月間の平均眼圧が点眼で20mmHgを越えたもの,再手術を要したものは不成功とした。
生命表解析により5年生存率(成功率)を求めると,初回トラベクロトミーについて49.4%であった。合併症としては,1週間以内に吸収しない前房出血4眼(5.2%),隅角鏡なしで確認できるデスメ膜剥離2眼(2.6%),1眼(1.3%)に視力低下を伴うデスメ膜下血腫および浅前房をきたした。しかしながら,このような重篤な合併症は正しく手術を行うことによって回避できるものであり,トラベクロトミーは安全な手術であると考えられた。
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