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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻5号

1990年05月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(3)1989年10月 名古屋 学会原著

緑内障疫学調査共同研究—1988年—全国集計結果

著者: 塩瀬芳彦1 北澤克明2 塚原重雄3 赤松恒彦4 溝上国義5 布田龍佑6 勝島晴美7

所属機関: 1愛知県総合保健センター眼科 2岐阜大学眼科 3山梨医科大学眼科 4赤松眼科 5神戸大学眼科 6熊本大学眼科 7札幌医科大学眼科

ページ範囲:P.653 - P.659

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 1988年4月から2か年計画で全国7地区(北海道,岩手県,山梨県,愛知県,岐阜県,兵庫県,熊本県)において40歳以上の住民を対象に行った緑内障疫学調査の第一年度集計結果報告である。全地区を通じ統一した検診方式,診断基準を用い全データは大型電算機により処理された。方法は一次スクリーニングとして眼圧検査に加え無散瞳カメラによる眼底撮影と一括読影方式を採用し,これらの異常者につき自動視野計による二次スクリーニングを実施した。
 合計受診者は6,652人で内,40歳以上は6,185人,受診率38.5%,平均年齢57±12.51歳であった。有病率(人)は全般に高緯度地区で高い傾向が認められたがPOAG0.61%,LTG 1.92%,PACG0.31%,その他緑内障0.68%,OH1.16%であった。POAG, LTG, OHの頻度に有意の性差はなかったがPACGのみ女性に高い傾向が認められた(p<0.1)。年齢別有病率では,加齢に伴う増加傾向がLTG, POAG, PACGの順に高く,OHは逆に減少傾向が認められた。欧米データとの違いは人種特異性と検査,診断精度の向上によるものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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