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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻5号

1990年05月発行

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(3)1989年10月 名古屋

学会原著

桐沢型ぶどう膜炎31例の臨床的観察

著者: 原吉幸1 中川やよい1 多田玲1 萩原正博1 檀上眞次1 恵美和幸1 春田恭照1 坂東桂子2 湯浅武之助1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科 2坂東眼科

ページ範囲:P.663 - P.666

文献概要

 大阪大学眼科で1973年から1989年までに経験した桐沢型ぶどう膜炎31例35眼について統計学的考察を行った。男性20例22眼,女性11例13眼で,平均年齢は45.1歳であった。網膜壊死の範囲が広い症例は網膜剥離を起こすものが多く,視力予後も不良であった。1973年から1981年の前半と,1982年から1989年の後半とに分けてみると,網膜剥離の発生は前半で12眼中9眼,後半では23眼中13眼で,最終視力が0.1以上の症例は前半では9眼中0眼,後半では13眼中4眼であった。ステロイド治療にアシクロビルの併用療法を行った症例は,最終視力0.1以上を維持している症例が多かった。ステロイド投与量についてみると,投与総量がブレドニゾロン換算1,500mg以上の症例では7眼が視力予後良好であるのに対し,1,500mg未満の症例では1例であった。水痘帯状ヘルペスウイルスに対する抗体率の高かった3例は,すべて中高年男性で片眼性であり,視力予後は不良であった。単純ヘルペスウイルスに対する抗体率の高かった5例では若い女性が3例を占め,視力予後の良好なものもみられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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