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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻5号

1990年05月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(3)1989年10月 名古屋 学会原著

ぶどう膜炎での前房混濁の客観的評価と主観的評価

著者: 森圭介1 堀内知光1 木村保孝1 坂本道子1 戸部圭子1 エルネスト又吉1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室 2ジョージタウン大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.671 - P.675

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 細隙灯顕微鏡による前房混濁の主観的評価の性質をフレア・セル・メーターによる定量的評価と比較するため,ぶどう膜炎患者603眼についての検索をした。前房フレアに関しては,フレア・セル・メーターの計測の対数換算値と主観的評価とで,良好な正の相関があった(r=0.73,p<0.001)。フレアの主観的評価は,変動係数(標準偏差/平均)は50%以上,2名の観察者の主観的評価の一致率は63%とばらつきが大きく,再現性が低かった。さらに,肉眼で検知できるフレアの閾値を求めるために,主観的評価でフレアがないグレイド0群と正常コントロール群のフレア値を比較検討した。これらの間では,統計上有意差があり(p<0.01),肉眼で判別できるフレアの最少閾値は,正常フレア値の約3〜6倍の間にあった。細胞数に関しては,フレア・セル・メーターは,とくに軽症例で再現性が低く,炎症細胞と他の細胞との判別は不可能であり,主観的評価の方が優れていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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