文献詳細
特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(3)1989年10月 名古屋
学術展示
文献概要
緒言 トラベクレクトミー術後の眼圧再上昇は,手術部位での瘢痕形成による房水流出の障害によることが多いとされている1)。この瘢痕形成の原因となる線維芽細胞の増殖を抑制するための,5-Fluorouracil(以下5-FU)の結膜下注射の有効性が報告されている2)。今回我々は同じ目的で,トラベクレクトミー術中にマイトマイシンC(以下MMC)を創部に塗布することを試み,その効果を対照群と比較検討したので報告する。
症例及び方法 症例は当科で初回または2回言のトラベクレクトミーを施行された原発開放隅角緑内障患者で,MMC群16例21眼と,MMC塗布の行われなかった対照群6例9眼である。トラベクレクトミーはWatsonの原法3)にほぼ準じた。4×4mmの強膜半層弁を作成後,1×3mmの線維柱帯切除を行い,周辺虹彩切除を施行した。次にMMC群では,0.04%MMCを染み込ませたMQAにて強膜弁にMMCを充分に塗布した。強膜弁を8-0virgin silkで2糸縫合後,結膜弁も同糸で端々縫合した。MMC液は,マイトマイシン協和S®(協和発酵,東京)1バイアルに含まれる2mgのMMCに滅菌パリッチェ緩衝液5mlを加えて溶解し,0.04%MMC液を作製した。成績は眼圧21mmHg以下を有効として解析した。
症例及び方法 症例は当科で初回または2回言のトラベクレクトミーを施行された原発開放隅角緑内障患者で,MMC群16例21眼と,MMC塗布の行われなかった対照群6例9眼である。トラベクレクトミーはWatsonの原法3)にほぼ準じた。4×4mmの強膜半層弁を作成後,1×3mmの線維柱帯切除を行い,周辺虹彩切除を施行した。次にMMC群では,0.04%MMCを染み込ませたMQAにて強膜弁にMMCを充分に塗布した。強膜弁を8-0virgin silkで2糸縫合後,結膜弁も同糸で端々縫合した。MMC液は,マイトマイシン協和S®(協和発酵,東京)1バイアルに含まれる2mgのMMCに滅菌パリッチェ緩衝液5mlを加えて溶解し,0.04%MMC液を作製した。成績は眼圧21mmHg以下を有効として解析した。
掲載誌情報