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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻5号

1990年05月発行

文献概要

臨床報告

複視にて発症した頸動脈海綿静脈洞瘻(特発性CCF)の1例

著者: 橋本ゆう子1 橋本隆裕2 間中信也3

所属機関: 1大木眼科クリニック 2放射線医学総合研究所臨床研究部 3帝京大学市原病院脳神経外科

ページ範囲:P.731 - P.734

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 74歳男性が複視を主訴に来院した。他覚的には軽度の右外転神経麻痺以外の異常所見はなかった。その後,症状は安定していたが,約半年後に結膜充血,眼圧上昇,眼痛の症状が突発し,脳血管写にて特発性頸動脈海綿静脈洞瘻(特発性CCF)と診断した。Matas手技により症状および脳血管写所見は改善し,以後半年間症状の増悪はない。特発性CCFは中年女性に好発するが,本症例は高齢男性であり非特異的である。また,一側外転神経麻痺が持続し,約半年後に典型的症状をきたした点も,極めて経過が長く,症状発現機序を考える上でも興味深かった。Matas手技により症状および脳血管写所見の改善が認められ,かかる症例においては試みられるべき治療法であると考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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