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臨床報告
一過性霧視発作をきたした巨大乳頭の1例
著者: 前田英美1 小川亮子1 小林誉典1 宇山昌延1 志水久子2
所属機関: 1関西医科大学眼科 2黒川眼科
ページ範囲:P.735 - P.737
文献購入ページに移動初診時の視力は良好であった。視野は患眼のマリオット盲点の拡大がみられた。
患眼の眼底には乳頭の著しい拡大と乳頭周囲の白色輪状組織および網膜静脈の著しい拡張・蛇行がみられた。他眼には異常をみなかった。螢光眼底造影により,乳頭周囲の白色輪状組織は造影早期は低螢光,晩期には過螢光を示した。また,網膜静脈の還流が遅れ,うっ滞を示す所見がみられた。
本症例は,乳頭からその周囲に,組織の過剰増殖により,網膜動静脈に相対的に絞扼が起こり,網膜動静脈の循環不全状態になっていて,全身運動による上半身への血流低下のために血行不全が発生し,—過性霧視発作を起こしたものと思われた。
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