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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻5号

1990年05月発行

文献概要

臨床報告

眼所見を示した亜急性硬化性全脳炎の症例

著者: 岡見豊一1 岸本伸子1 上原雅美1 松尾裕行2 粕淵康郎2

所属機関: 1松下記念病院眼科 2松下記念病院小児科

ページ範囲:P.747 - P.751

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 亜急性硬化性全脳炎(subacute scler-osig panencephalitis)は変異型麻疹ウイルスによる遅延性ウイルス感染症と考えられている。我々は10歳女児に視力低下で発症した本症の1例を経験した。初診時の視力は右0.03(矯正不能),左1.5(矯正不能)で,眼底には右眼の黄斑部に網膜浮腫,網膜出血がみられ,赤道部から周辺部には黄白色の滲出斑が多数散在していた。螢光眼底造影ではこれに一致して網膜の滲出を示す過螢光がみられた。これらは約4か月で瘢痕化し,色素沈着を伴う網脈絡膜萎縮となった。全身のミオクロニー発作,脳波上のperiodic synchronousdischargeと同期した異常眼球運動がみられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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