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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻5号

1990年05月発行

臨床報告

超音波水晶体乳化吸引術と計画的水晶体嚢外摘出術での術後炎症の差

著者: 吉村浩一1 本坊正人1 宮田典男1 大鹿哲郎2

所属機関: 1宮田眼科病院 2東京厚生年金病院眼科

ページ範囲:P.763 - P.767

文献概要

 後房眼内レンズを挿入したケルマン超音波水晶体乳化吸引術(KPE)55眼と計画的水晶体嚢外摘出術(PECCE)33眼の術後炎症の差を検討した。両群で水晶体核の硬さや年齢などの背景因子は同一とした。術後1週間まで測定を行ったフレアー強度,細胞数は共にKPEにおいて低く,フレアー強度は術後1,2日目で(p<0.01),細胞数は1,2,3日目で(p<0.01),両術式間に有意の差を認めた。この原因は,両術式の眼侵襲の差を反映したものと思われ,closed eye surgeryとしてKPEの有用性を示すと考えられた。術中灌流液量およびKPEにおける超音波発振時間と術後炎症の程度についても検討を行った。灌流液量が100ml以下の群でその差は有意ではなかった。超音波時間が60秒をこえるものでは強い術後炎症が観察され,超音波時間60秒以下の群との間に,術後1,2,3日目(p<0.01)で有意差を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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