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連載 眼科図譜・287
Waardenburg症候群
著者: 堀江英司1 石綿丈嗣1 浜畑和男2 永野幸一1 樋田哲夫1
所属機関: 1杏林大学医学部眼科 2菊池眼科病院
ページ範囲:P.782 - P.783
文献購入ページに移動症例 16歳,女性。初診:1989年4月24日。主訴:両眼の視力低下。現病歴:学校検診にて裸眼視力の低下を指摘され当科受診。既往歴:生下時よりの両側性難聴,また現在は消失しているが幼児期に前頭限白髪を認めている。現症:視力はV.d.=0.6(1.2×−0.5D),V.s.=0.6(1.2×−0.5D)と良好。眼圧は左右共に12mmHg。瞳孔間距離が62mmに対し内眼角間距離及び外眼角間距離は36mm,97mmで下涙点は内眼角より7mmの部に位置していた。細隙燈顕微鏡検査では右眼虹彩は10時半〜12時半の部が,左眼は逆に5時〜6時半の部を残しすべての部がいわゆるblue irisを呈し両眼性の虹彩色素異常(部分虹彩異色)が認められた(図1)。角膜,前房,中間透光体には著変をみず,眼底検査では色調の低色素傾向が認められた(図2)。全身的検査の結果,白皮症などの色素異常所見はみられなかった。
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