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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻6号

1990年06月発行

文献概要

連載 眼科図譜・287

Waardenburg症候群

著者: 堀江英司1 石綿丈嗣1 浜畑和男2 永野幸一1 樋田哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部眼科 2菊池眼科病院

ページ範囲:P.782 - P.783

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 緒言 Waardenburg症候群は1947年にKlein1)が聾唖,限局性白皮症を伴った虹彩色素異常及び内眼角側方偏位を示す症例を初めて報告,1951年Waardenburg2)により先天性難聴,虹彩及び前頭部毛髪の色素異常に眼瞼,眉毛,鼻根部の奇形を合併する遺伝性疾患として確立された症候群である。今回我々は本症候群と思われる1症例を経験したので供覧する。
 症例 16歳,女性。初診:1989年4月24日。主訴:両眼の視力低下。現病歴:学校検診にて裸眼視力の低下を指摘され当科受診。既往歴:生下時よりの両側性難聴,また現在は消失しているが幼児期に前頭限白髪を認めている。現症:視力はV.d.=0.6(1.2×−0.5D),V.s.=0.6(1.2×−0.5D)と良好。眼圧は左右共に12mmHg。瞳孔間距離が62mmに対し内眼角間距離及び外眼角間距離は36mm,97mmで下涙点は内眼角より7mmの部に位置していた。細隙燈顕微鏡検査では右眼虹彩は10時半〜12時半の部が,左眼は逆に5時〜6時半の部を残しすべての部がいわゆるblue irisを呈し両眼性の虹彩色素異常(部分虹彩異色)が認められた(図1)。角膜,前房,中間透光体には著変をみず,眼底検査では色調の低色素傾向が認められた(図2)。全身的検査の結果,白皮症などの色素異常所見はみられなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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