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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻6号

1990年06月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋 学会原著

血管新生緑内障に対する4直筋切腱・再縫合術の検討

著者: 細木敬三1 上野脩幸1 高橋徹1 安岡一夫1 楠目佳代1 玉井嗣彦2 松本結香3 森澤あおい4

所属機関: 1高知医科大学眼科 2鳥取大学医学部眼科 3高知県立西南病院眼科 4高知赤十字病院眼科

ページ範囲:P.793 - P.798

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 眼圧上昇が著しく,眼球摘出を考慮せざるを得ない眼圧コントロール不良で視機能の悪い(手動弁〜0)血管新生緑内障12例12眼に対して,4直筋切腱と付着部の毛様体冷凍凝固時に7本の前毛様動脈の遮断と再疎通の防止が期待できる4直筋切腱・再縫合術を試み,その効果を3〜32か月(平均10.9か月)にわたり検討した。71〜30mmHg[平均47.4±10.7 mmHg (S.D.)]の術前眼圧は,44〜0mmHg (平均9.3±12.7 mmHg)と術後有意の低下を示した(P<0.001)。虹彩ルベオーシスは,術後は12眼中11眼の91.7%になんらかの消退をみた。眼痛,頭痛などの自覚症状の改善は,全例に認められた。
 これにより本法は,視機能の改善の余地のある血管新生緑内障に対する治療としては今後慎重に選択されるべきものと思惟されるが,この種の難治性のものに対しては,所期の目的が達せられ,有効な手術方法と判定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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