文献詳細
文献概要
特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋 学会原著
老人性円板状黄斑変性症—網膜下血腫型の臨床的特徴
著者: 福島伊知郎1 高橋寛二1 大熊紘1 宇山昌延1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.799 - P.805
文献購入ページに移動網膜下血腫の吸収には,多くの症例で3〜6か月かかった。症例の63%は,黄斑部の網膜色素上皮に変性萎縮を残して治癒したが,線維性瘢痕を残した症例が35%あった。しかし,本症の典型的病巣である滲出病巣(網膜下結合織増殖型)に移行したのは1眼(2%)のみで,極く少数であった。
治療として薬物療法,光凝固,硝子体手術が行われ,最終的に60%に視力改善をみた。
以上から,網膜下血腫型は老人性円板状黄斑変性症のなかで,急性の経過を示し,比較的子後良好な特殊な一病型であることが示された。
掲載誌情報