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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻6号

1990年06月発行

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋

学会原著

原発開放隅角緑内障におけるトラベクロトミー術後長期の視機能について

著者: 樋口香1 宇治幸隆1 服部靖1 今谷啓之1

所属機関: 1三重大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.811 - P.815

文献概要

 トラベクロトミー術後,1年以上経過を観察できた症例のうち,術後眼圧コントロール良好であった原発開放隅角緑内障65眼について視野異常の進行につき検討した。非手術施行群45眼と比較して,視野異常の進行度はかわらなかった。視野異常進行に係わる因子として,性別,年齢,全身合併症の有無,経過年数,治療開始時の視野,眼圧などを検討した。多変量解析による分析で,トラベクロトミー施行群では,術前の視野と手術時年齢が,視野異常の進行と関連があった。非手術施行群と比べると,経過年数と全身合併症が少なかった。トラベクロトミーにより,視野異常の進行を防ぐことはできないまでも,長期間観察すると,薬物療法による治療と比較して,視機能の保持に安定した効果を期待できると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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