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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻6号

1990年06月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋 学会原著

塩酸ブナゾシン(選択的α1遮断剤)点眼のヒト眼圧に対する効果

著者: 杉山哲也1 中島正之1 松田公夫1 徳岡覚1 西川潤子1 東郁郎1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.821 - P.824

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 新しいα1遮断剤である塩酸ブナゾシン点眼液が,健常者や高眼圧症患者の眼圧などに及ぼす影響を検討した。健常者では0.025〜0.2%液の1回点眼により,処置眼で初期値または対照眼に対して有意な眼圧下降を示し,最大の下降は5〜7時間後に認めた。0.1%液が最人の下降作用(初期値に比べ−3.8±0.9mmHg)を示した。0.1%液でやや縮瞳傾向を認めたが,0.05%以下の液では縮瞳傾向を認めなかった。前房深度,近点距離,血圧,脈拍数には有意な変化がなかった。0.2%液では刺激感や眼重感を生じたが,0.1%以下の液では軽度の結膜充血以外,副作用を生じなかった。0.1%液の1週間連続点眼(1日2回)の忍容性は良好で,7日目にも点眼による有意な眼圧下降を認めた。高眼圧症患者では低濃度液(0.005%,0.01%)にて有意な眼圧下降を認め,結膜充血は軽減された。以上の結果から,塩酸ブナゾシン点眼液の緑内障への臨床応用が期待される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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