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特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋 学会原著
内皮網に影響を与える薬剤の研究—4.Elastase
著者: 保谷卓男1 裏川佳夫1 宮崎守人1 石原淳1 瀬川雄三1
所属機関: 1信州大学医学部眼科
ページ範囲:P.825 - P.829
文献購入ページに移動各培養組織片の透過電顕試料を作製し,内皮網の形態学的観察を行った。また,一部の試料において,内皮網における構成要素,細胞成分,細胞外要素,空白部分の面積百分率を画像解析装置を用いて計測比較した。
その結果,培養人線維柱組織にelastaseを投与することにより,細胞外要素を減少させることができた。
また,慢性緑内障患者27例にelastaseを経口投与し,投与前,および投与12か月後のtonography C値の変化を検討したところ,統計学的に緑内障患者全体では,C値の有意の改善は認められなかったが,原発性開放隅角緑内障では有意のC値の改善が認められた(P<0.01)。
Elastaseは人線維柱組織特に内皮網の細胞外要素を減少させ,房水流出率を改善させる可能性が示唆された。
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