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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻6号

1990年06月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋 学会原著

片眼性水晶体嚢性緑内障における他眼の検討

著者: 西山正一1 布田龍佑1 古吉直彦1 游泰慶1 萩原理1 古賀市郎1

所属機関: 1熊本大学医学部眼科

ページ範囲:P.835 - P.838

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 熊本大眼科にて5年以上経過観察し得た56例の片眼性水晶体嚢性緑内障患者の他眼が,長期の観察にてどのような変化を示すかを知る目的で調査を行った。5年から19年,平均9.8年の経過観察期間において,片眼性水晶体嚢性緑内障患者の他眼は,初診時には24例42.9%に何らかの緑内障性変化を有していたものが,最終観察時には36例64.3%に緑内障性変化を有する結果となった。このうち片眼性より両眼性の水晶体嚢性緑内障へと移行したものは17例30.4%認められた。また,水晶体偽落屑物質がその他眼に出現したものは14例28.0%認められた。
 片眼性水晶体嚢性緑内障患者の他眼は,初期より緑内障性変化を有するものが多く,かつ長期の経過観察にて両眼性の本症へと移行することに留意して,注意深い経過観察が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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