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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻6号

1990年06月発行

文献概要

特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋 学会原著

春季カタルにおける病態の推移と抗アレルギー剤の効果

著者: 中川やよい1 湯浅武之助1 阪下みち代2 多田玲3

所属機関: 1大阪大学医学部眼科 2羽曳野病院眼科 3市立池田病院眼科

ページ範囲:P.843 - P.846

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 ステロイド以外の抗アレルギー剤を主に用いるようになった1983-87年の5年間(B群)とそれ以前の1978-82年の5年間(A群)に阪大病院眼科を受診した春季カタル新患患者について比較し,抗アレルギー剤の効果と役割について検討した。患者数はA群105例,B群115例,男女比はA群で4:1,B群で2:1であり,B群で15歳前後の女性例が増加していた以外は,発症年齢,他のアトピー性疾患の合併頻度,各病型の比率,起因抗原の陽性頻度などは両群問に差は認められなかった。しかし治療方法では抗アレルギー剤の内服例がB群で有意に増加しており,それにともなって経過中にステロイド剤の長期全身投与を要した重症のものがB群で有意に減少していた。このことより抗アレルギー剤の使用は春季カタルの軽症化に有用であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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