文献詳細
特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋
学会原著
文献概要
最近5年間に訪れた毛髪染料による角膜障害19例32眼について検討した。ほとんどの症例が強い眼痛を訴え,軽症ではびまん性点状上皮剥離をきたし,平均1週間で治癒したが,重症例は円型上皮剥離にデスメ膜皺襞を伴い,全治まで平均2週間を要した。後遺症や視力障害は認められなかった。
受傷から受診までの間に洗眼をした例では円型上皮剥離は有意に少なく,培養結膜上皮細胞に対する実験においても,稀釈した毛髪染料による細胞障害の発現は緩徐であった。
したがって,毛髪染料を使用する際には眼に入れないよう注意を徹底させるとともに,眼周囲に流れ込まぬよう,メーカーは何らかの工夫をすべきである。万一眼に入った場合は直ちに水で洗眼することが重症化を防ぐといえる。
受傷から受診までの間に洗眼をした例では円型上皮剥離は有意に少なく,培養結膜上皮細胞に対する実験においても,稀釈した毛髪染料による細胞障害の発現は緩徐であった。
したがって,毛髪染料を使用する際には眼に入れないよう注意を徹底させるとともに,眼周囲に流れ込まぬよう,メーカーは何らかの工夫をすべきである。万一眼に入った場合は直ちに水で洗眼することが重症化を防ぐといえる。
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