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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻6号

1990年06月発行

連載 今月の話題

角膜ヘルペスの臨床—ウイルス学的見地と生物学的見地

著者: 大橋裕一1 木下茂1

所属機関: 1大阪大学

ページ範囲:P.865 - P.869

文献概要

 現時点で臨床的に問題と考えられる角膜ヘルペス治療の諸問題をとりあげ,その考え方と治療方針をウイルス学的,および生物学的見地から考察した。
 特に,最大の課題である実質型角膜ヘルペスの治療においては,ヘルペスウイルスおよびその関連抗原を角膜から除去することが,ウイルス学的見地からの根本的治療方針である。もし,こうしたウイルス抗原の除去がうまく行えれば,免疫反応の軽減をもたらすとともに,ウイルス感染の持続や再発を抑制できる可能性もある。他方,生物学的見地からは,好中球の角膜内浸潤を阻止することが第一の治療方針である。もし,好中球の浸潤を阻止できれば,多くの例で血管新生の阻止につながり,ひいては角膜移植にいたるような角膜瘢痕の形成を防止することができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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