特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋
学術展示
難治性ぶどう膜炎に対するシクロスポリンとブロモクリプチンとの併用療法(予報)
著者:
原田敬志1
岡本洋子2
太田啓雄3
村上京子3
安藤以久子3
矢ケ崎悌司3
所属機関:
1名古屋大分院眼科
2中部労災病院眼科
3名古屋大学医学部眼科
ページ範囲:P.900 - P.901
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緒言 近年,脳下垂体前葉ホルモンであるプロラクチンに免疫調整能力のあることが指摘されている1,2)。実際に,下垂体切除されたラットでは,抗体産生や遅延型過敏反応が抑制され,これに外因性プロラクチンを加えると免疫応答が抑制されるという1,2)。プロラクチンのドーパーミン作働薬であるブロモクリプチンの投与で,対宿主移植片反応がマウスで減弱する3)。ラットの実験的自己免疫性ぶどう膜炎では,ブロモクリプチンと低用量シクロスポリンとの併用で,より多量のシクロスポリンと同様の効果がみられるという4)。ヒトぶどう膜炎の臨床例についてシクロスポリン・ブロモクリプチン併用療法を行った成績が,最近報告され,その有効性が指摘された5,6)。
今回,ベーチェット病および原田病患者にこの併用療法を施行し,その有効性について検討を行う。